「お彼岸」という言葉はよく耳にしますが、具体的にどんな行事なのかを詳しく説明できる人は意外と少ないのではないでしょうか。お彼岸は春と秋、年に二度訪れる日本ならではの習慣で、ご先祖を供養しながら自然の移ろいを感じられる大切な機会です。ここでは、お彼岸の基本的な意味から成り立ち、習慣、そして実際の日程までをわかりやすくご紹介します。
1. お彼岸とは?(基本情報)
お彼岸は、春分の日と秋分の日を中心に前後3日を合わせた7日間を指します。つまり、春と秋にそれぞれ1週間ほど設けられる特別な期間です。この時期は昼と夜の長さがほぼ同じになるため、昔から「節目」として意識されてきました。
仏教の言葉で「彼岸」とは悟りの境地、つまりあの世を意味し、私たちが生きるこの世は「此岸(しがん)」と呼ばれます。昼と夜が等しくなる日には、此岸と彼岸の距離がもっとも近づくと考えられ、ご先祖を偲び供養する習わしが根付いたのです。
2. お彼岸はいつ?(2025〜2030年の日程)
お彼岸の期間は毎年同じではなく、春分・秋分の日が暦の計算によって少しずつ変わります。以下に、2025年から2030年までのお彼岸の日程をまとめました。
春のお彼岸の日程(2025〜2030年)
| 年 | 春彼岸(中日=春分の日) |
|---|---|
| 2025年 | 3月17日(月)〜3月23日(日) 中日:3月20日(木) |
| 2026年 | 3月17日(火)〜3月23日(月) 中日:3月20日(金) |
| 2027年 | 3月18日(木)〜3月24日(水) 中日:3月21日(日) |
| 2028年 | 3月17日(金)〜3月23日(木) 中日:3月20日(月) |
| 2029年 | 3月17日(土)〜3月23日(金) 中日:3月20日(火) |
| 2030年 | 3月17日(日)〜3月23日(土) 中日:3月20日(水) |
秋のお彼岸の日程(2025〜2030年)
| 年 | 秋彼岸(中日=秋分の日) |
|---|---|
| 2025年 | 9月20日(土)〜9月26日(金) 中日:9月23日(火・祝) |
| 2026年 | 9月19日(土)〜9月25日(金) 中日:9月23日(水) |
| 2027年 | 9月20日(月)〜9月26日(日) 中日:9月23日(木) |
| 2028年 | 9月19日(火)〜9月25日(月) 中日:9月22日(金) |
| 2029年 | 9月19日(水)〜9月25日(火) 中日:9月23日(日) |
| 2030年 | 9月19日(木)〜9月25日(水) 中日:9月23日(月) |
3. お彼岸の歴史と由来
お彼岸の風習は奈良時代から平安時代にかけて広まりました。もともとは仏教が中国から伝わりましたが、仏教の本場であるインドや中国には「お彼岸」という行事はなく、日本で独自に形づくられたものです。
背景には、日本古来の自然信仰も深く関わっています。春分・秋分の日は太陽がほぼ真東から昇り、ほぼ真西に沈みます。仏教では西に極楽浄土があるとされ、この日が特別な意味を持つようになりました。やがて江戸時代には幕府が庶民に奨励し、明治時代には国の祝日として定められたことで、現在まで続く年中行事となったのです。
4. お彼岸に行うこと(習慣・風習)
お彼岸といえば「お墓参り」を思い浮かべる方が多いでしょう。家族でお墓を掃除し、花や線香を供えて手を合わせることは、ご先祖を敬う大切な行いです。仏壇にお供えをしたり、日々の生活を省みて心を落ち着けることも、この時期ならではの過ごし方といえます。
また、春は「ぼたもち」、秋は「おはぎ」をお供えする習慣があります。どちらもあんこで包んだもち米の団子ですが、春は牡丹、秋は萩の花にちなみ呼び名を変えてきました。こうした季節の移ろいを食べ物に重ねるところに、日本らしい感性が表れています。
5. お彼岸とお盆の違い
お彼岸は、春分の日と秋分の日を中心としたそれぞれ7日間(合計14日間)に行われる仏教行事です。太陽が真東から昇り、真西に沈むこの時期は、現世(此岸)とご先祖様のいる彼岸がもっとも近づくとされ、ご先祖様に感謝を伝える習わしが広まりました。お墓参りをして墓石をきれいにし、花や線香を供えることが一般的です。また、季節の食べ物として春は「ぼたもち」、秋は「おはぎ」をお供えする風習もあります。
お盆は、夏にご先祖様の霊を家へお迎えし、再びお見送りする行事です。一般的には8月13日から16日までの4日間(地域によっては7月に行う場合も)に行われます。迎え火や送り火を焚いて霊を導き、盆提灯を飾ったり、精霊棚を用意したりしておもてなしをします。家族が集まり、食事や供物を通じてご先祖様と過ごすことが大きな特徴です。
- 時期
お彼岸:春分・秋分の年2回(春・秋)
お盆:夏(多くは8月13〜16日) - 意味合い
お彼岸:太陽の動きに基づく仏教行事、ご先祖様への感謝を伝える期間
お盆:ご先祖様の霊を家に迎え入れて共に過ごす行事 - 主な過ごし方
お彼岸:お墓参り、仏壇での供養、ぼたもち・おはぎのお供え
お盆:迎え火・送り火、精霊棚・盆提灯の準備、家族が集まって供養
お彼岸とお盆は、どちらも「ご先祖様を敬い、感謝を伝える日本の大切な行事」です。ただし、お彼岸は春と秋にお墓参りをする日、お盆は夏にご先祖様を迎えて共に過ごす日、とイメージすると分かりやすいでしょう。家族が集まり、ご先祖様に思いを馳せるきっかけとして、ぜひ両方とも大切にしたい行事です。
6. まとめ
お彼岸は、自然の節目と仏教の思想、日本独自の信仰が重なって生まれた伝統行事です。昼と夜の長さが同じになる日に、ご先祖に感謝し、自分自身の心を整える時間を持つことは、現代に生きる私たちにとっても意味のあることではないでしょうか。
忙しい日常の中でつい忘れてしまいがちですが、お彼岸は家族と一緒にご先祖を思い、季節の変化を感じられる貴重な機会です。お墓参りやお供えを通じて、改めて「ありがとう」の気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか。

